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認定NPO法人(特定非営利活動)
日本ホルモンステーション |
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京都大学名誉教授
日本内分泌学会元理事長
日本肥満学会元理事長 |
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ホルモンは、私たちの身体の内分泌器官(臓器)を構成する内分泌細胞で生合成・分泌され、血流で運搬されて、各ホルモンに特異的な受容体を有する標的細胞に作用する化学的細胞間情報伝達物質です。多細胞生物では、ホルモンによる細胞間調節作用は、重要で必須な生理機能です。
ホルモンは、英国の生理学者アーネストスターリング博士によって命名され、ギリシャ語で「興奮させる、覚醒させる」との意味をもっています。また、世界で最初に、ホルモンの1つであるアドレナリンを抽出・精製し、臨床応用に大きく貢献したのは、日本人化学者の高峰譲吉博士であり、その偉業の発端になったのは、1901年におけるアドレナリンの精製です。アドレナリンの精製は、その構造決定を可能にし、種々の関連化合物(作動薬や拮抗薬)の開発に発展して、薬剤として今日でも広範に臨床応用されています。このように、ホルモンの発見は、生理作用の理解や臨床応用に大きく発展するのです。
ホルモンによるこのような情報伝達様式は、内分泌とよばれていますが、この内分泌機能は、特定の内分泌臓器の内分泌細胞のみではなく、全身の臓器でも認められることが明らかになってきました。脳下垂体、甲状腺、副腎、性腺、膵臓などで知られていたホルモン分泌は、心臓血管、脳、消化管、脂肪組織、骨などでも証明され、関連疾患の病因・病態の理解、疾患の診断や治療にも応用されています。
ホルモンの作用は多彩であり、生殖、成長・老化(加齢)、身体の恒常性の維持、エネルギー代謝調節などに重要な生理的役割を果たしています。ホルモン作用の不足や過剰は、疾患の発症につながり、これらの異常による疾患は内分泌代謝疾患と呼ばれます。
従ってホルモンの作用は、甲状腺疾患、副腎疾患、脳下垂体疾患などに限定されたものではなく、肥満症・メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症などの生活習慣病、循環器疾患、精神神経疾患、がんなどでも、その意義が注目されています。
また、最近がんの免疫療法で免疫関連有害事象として甲状腺疾患、ACTH単独欠損症、1型糖尿病などの内分泌代謝疾患の発症が明らかになり、注目を集めています。
「NPO法人日本ホルモンステーション」は、2003年(平成15)11月に、ホルモンと内分泌代謝疾患の一般市民への啓蒙活動、この分野の次世代の研究者・専門医の人材育成・支援・国際交流などを目的として設立されました。2007年から国税庁より「認定NPO法人」の認可を受けて活動して参りましたが、2014年4月からは京都市より「認定NPO法人」の認可を受けています。
日本ホルモンステーションの活動は内分泌代謝疾患に関する一般市民への啓蒙活動を始め、以下の項目で実施しています。
@顕彰事業は、我が国の基礎内分泌学研究者を顕彰する「松尾壽之賞」の設定・授与です。
LHRHの構造決定以来、多数のホルモンの単離・構造決定に貢献された松尾寿之国立循環器病研究センター名誉所長・宮崎大学名誉教授のご業績を称え、2016年より創設した基礎研究者の顕彰でで、基礎内分泌学研究の推進をめざしたものです。
A日本ホルモンステーションの広報活動として、News Letterを発行・配信し、会員間の情報交換などさらなる活動の充実をめざします。
B次世代若手研究者の育成を目的にして、日本内分泌学会YIA、日本内分泌学会サマーセミナー「優秀ポスター賞」、日本小児内分泌学会 内分泌普及奨励賞の副賞の支援をします。更に若手研究者の留学助成も実施しています。
Cまた脂肪萎縮症候群委員会は、従来の患者支援活動に加えて、新しく発見されてきた特発性部分性脂肪萎縮症候群の診断基準の作成を経て脂肪萎縮症候群研究会の協力のもとに全国調査研究を実施します。
D次世代内分泌代謝研究者の育成を目的に大学、病院など医局会に加えて、高校や中学校への往診講演会などの活動を開始しました(若手研究者への支援の項「中和塾往診シリーズ」参照)。
今後とも、認定NPO法人日本ホルモンステーションの活動への御理解と御支援をよろしくお願いします。
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